節約生活のご褒美旅行 akariさん 29歳
借りる決心をするまでには、ずいぶん悩みました。
もともと私は、お金の貸し借りにはかなり抵抗があるほうでした。友達に100円くらいでも立て替えてもらったら、次に会った時に必ず返します。貸したほうはそこまで細かく気にしませんが、トラブルになると嫌なので1,000円以上はなるべく貸しません。
19歳で一人暮らしを始めてから、仕送りなど一切もらわず親に頼らずに生活していました。自分で決めたことだからと、アルバイトの収入と奨学金で学費と生活費をまかなっていました。
お金に余裕がなく、かなりの貧乏生活になることも多かったのですが、借りたからといって返せる保証がないと思うと借りるのは怖かったです。また、一度借りてしまったら、便利なのでクセになってしまいそうで嫌でした。
それに学生ローンといえば聞こえはマシですが、結局は借金なので人に知られたくありませんでした。自分としても、すでに奨学金を借りているし、さらに借金が増えるとなると、貧乏生活を続けるよりもつらくなる気がしていました。
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就職が決まったので返済できる金額で学生ローンを組む事に
大学を卒業する前に初めて学生ローンを利用しました。
この時には就職も決まっていて、奨学金の返済を合わせてもなんとか返済の目処が立っていたんです。
それまで節約生活をしていて旅行など全然行けなかったので、学生で時間のあるうちに世界を見ておきたいと思いました。
卒業旅行でヨーロッパへ行くための費用として20万円借りました。
旅行は必要なものではないので我慢しようかとずいぶん悩みましたが、絶対に返済できる自信があったので結局は決心しました。
もちろん借りた所からの「郵送物」はないようにしたので、親はもちろん、友達にもばれずに借りる事が出来ました。
「在籍確認」が少し気になっていましたが、会社名は一切出さずに個人名での電話なのでばれる事はなかったです。
それまで、アルバイトを３つ掛け持ちしていて、授業のない日はいつも働いていました。家も古いアパートで、エアコンなどもほぼ使わずに耐えて過ごし、食事も安い食材で自炊していました。それでも余裕がなくて、自家製ナメタケしかおかずがない……みたいな日々もありました。
晴れて就職も決まったし、今まで頑張ったご褒美と思おう！ということで、思いきってまとまったお金を借りたら、夢だったヨーロッパ旅行を実現できました。
学生の時にお金を借りてでも旅行に行ってよかったと思う理由
この卒業旅行は本当に行って良かったです。
海外に行くの自体が初めてだったので視野がものすごく広がりました。
私はヨーロッパの美術が大好きで、卒論ゼミでもそういった研究をしていたので、ホンモノの作品を山ほど観ることができてとても嬉しかったです。描かれている風景や街並みを実際に目にすることができて夢のようでした。
現地の人たちとも、短い期間ではありますが交流し、コミュニケーションの取り方や考え方の多様さなど学びました。一人旅だったので精神的にもタフになれたと思います。
就職後しばらくは返済のために多少生活は苦しかったです。でも無事に返し終わりました。その時も、その後も、旅行の経験が糧になって頑張れました。
社会人になったらお金は稼げるので、きちんと計画をすれば学生時代に借りても大丈夫だと思います。
何といっても旅行を実現できてとても満足していたので、お金を借りたことを後悔したことはありません。あの時やめてしまったら、学生時代がつらい時期として記憶に残ってしまったかもしれません。
時間のある時に思いきり新しいことを経験しておくのは、とても大切なことだったと思います。
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